マンション建替え事例データ — 戸数・容積率・還元率・負担の公表状況一覧
公表資料で確認できたマンション建替え33事例を一覧にしました。還元率が数値で示されていたのは33件中7件(業界団体の事例紹介5件、報道・専門家の記事2件)で、残り26件は確認した資料に記載がありません。 負担の金額が示されていたのは1件(平均増床資金780万円)だけです。「還元率や負担額は、事例紹介でもほとんど公表されない」という事実が、この一覧の最初の結論です。
この記事は、自分のマンションや購入を検討している物件を、実際の建替え事例と比べたい方に向けた事例カタログです。建替えで得をするのか損をするのか、平均負担額はどう推移しているのかといった損得の解説は、マンション建て替えで資産価値はどうなるかにまとめています。この記事は特定の物件の購入・売却を勧めるものではありません。
1. この一覧の読み方
| 項目 | この一覧での意味 |
|---|---|
| 還元率 | 建替え前の専用面積に対して、建替え後に負担なく取得できる専用面積の割合。東京都の資料では「従前の専用面積に対して、従後負担なく取得できる専用面積の割合」と定義されています1。ただし事例ごとの資料には、面積ベースかどうかなどの定義が書かれていないものがあります |
| 負担 | 区分所有者が建替え後の住戸を取得するために追加で支払う金額。金額の記載がなく、「負担を軽減」などの文言だけがある場合は、その文言を短く載せています |
| 延床 | 建物の延床面積(㎡)。表では小数点以下を四捨五入しています。「約」は出典が約値として示しているものです |
| 延床/敷地(試算) | 延床面積 ÷ 敷地面積 × 100 で、編集部が計算した値です |
| 決議年・竣工年 | 建替え決議の成立年月と、建替え後の建物の竣工年(月)です |
「延床/敷地(試算)」は、法定の容積率とは別物です。 延床面積には地下や共用部分など容積率の計算と扱いが異なる床が含まれることがあり、敷地の条件でも差が出るため、延床面積をそのまま敷地面積で割った値は法定の容積率と一致しません。たとえば国領住宅(No.6)は、指定容積率200%(上限)のもとで建て替えられましたが、試算では245%になります。試算は「建物が敷地に対してどれだけ大きくなったか」の目安として見てください。
資料によって値が異なる項目は、両方の値を併記しています。どちらが正しいかを編集部では判断していません。
2. 事例一覧表(33事例)
「—」は、確認した資料に記載がなかったことを示します。所在は東京都内のものを区市名だけで示しています。
| No. | 名称(建替え前 → 後) | 所在 | 戸数 前→後 | 延床㎡ 前→後 | 延床/敷地(試算) | 還元率 | 負担 | 決議 | 竣工 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 新赤坂マンション → パークハウス赤坂氷川 | 港区 | 63→97 | 6,917→12,332 | 475%→840%※a | — | — | 2004.11 | 2008 |
| 2 | 天城六本木マンション・ホーマットガーネット → アトラスタワー六本木 | 港区 | 32→90(従前は2棟の合計) | 4,713→12,961(東京都)/4,587→12,777(m-saisei) | 389%→977%※b | — | — | 2006.7 | 2010.2 |
| 3 | 宇田川町住宅 → アトラス渋谷公園通り | 渋谷区 | 16→49 | 2,542→6,262 | 292%→719% | — | — | 2010.9 | 2013 |
| 4 | ハイツ駒込 → ブリリア駒込六義園 | 文京区 | 25→49 | 2,307→5,090 | 302%→541% | — | — | 2011.5 | 2014.6 |
| 5 | 上野下アパート(同潤会)→ ザ・パークハウス上野 | 台東区 | 71→128 | 2,094→8,556(東京都)/8,416(m-saisei) | 182%→745%※c | — | — | 2012.4 | 2015 |
| 6 | 国領住宅 | 調布市 | 144→320 | 約7,363→約32,587 | 56%→245% | — | — | 2005.7(m-saisei)/2003(旭化成) | 2008.3 |
| 7 | 林町住宅 | 文京区 | 56→75(東京都一覧は74) | 2,915→6,802 | 82%→191% | — | 従前住戸面積までは追加負担なしと記載(金額なし) | 2007.4 | 2010.3 |
| 8 | 大京町住宅 | 新宿区 | 24→35 | 1,323→3,431 | 111%→280% | 約130% | — | 2007.11 | 2010.1 |
| 9 | 下連雀住宅 | 三鷹市 | 79→108 | 3,907→9,274 | 98%→233% | — | — | 2007.11 | 2010.3 |
| 10 | 桜上水団地 | 世田谷区 | 404→878 | 約30,500→98,551 | 64%→212% | — | 「70㎡等価交換を基本」(事業計画。金額なし) | 2009.9 | 2015.8 |
| 11 | 原宿住宅 | 渋谷区 | 112→220 | 4,523→26,517 | 85%→512% | — | — | 2010.2 | 2013.7 |
| 12 | 石神井公園団地 → ブリリアシティ石神井公園アトラス | 練馬区 | 490→844 | — | — | — | — | 2019.4 | 2023.9 |
| 13 | 向原第二住宅団地 → プラウドシティ小竹向原 | 板橋区 | 246→500 | — | — | — | — | 2020.4 | 2024.5 |
| 14 | 多摩川住宅ホ号棟 → シティテラス多摩川 | 調布市 | 380→900(m-saisei一覧は910) | — | — | — | — | 2020.8 | 2025.10 |
| 15 | 小豆沢団地 → パークハイツ小豆沢 | 板橋区 | 135→271 | — | — | — | 補助金を活用(金額なし) | — | 1995 |
| 16 | 久が原グリーンハイツ → ヒルズ久が原 | 大田区 | 256→447 | — | — | —※d | 「自己負担なし」と記載 | 1996.6 | 1999.3 |
| 17 | 萩中住宅 → オーベルグランディオ萩中 | 大田区 | 368→534 | — | — | — | 補助制度の活用で負担を軽減(金額なし) | 2003.8 | 2006.3 |
| 18 | イトーピア浜離宮 → ブリリアタワー浜離宮 | 港区 | 328→420(東京都一覧は418) | — | — | — | — | 2018.10 | 2023.9 |
| 19 | 習志野台三街区住宅団地 → リビオシティ船橋北習志野 | 千葉県船橋市 | 318→488 | — | — | — | 負担軽減を「最重要目標」と記載(金額なし) | 2020.10 | 2025.2 |
| 20 | 下高宮分譲住宅1・2 | 福岡県福岡市 | 40→90 | 2,426→10,062 | 63%→262% | 100% | 平均増床資金780万円 | 2005.12 | 2008.3 |
| 21 | 富士マンション | 新潟県新潟市 | 54→44(住宅。ほかに店舗・事務所18→7区画) | 5,292→5,008 | 717%→588% | 20%以下(上限の表現) | — | 2004.7 | 2008.3 |
| 22 | 丸竹ファミリーマンション | 沖縄県那覇市 | 25→22 | 1,638→1,755 | 177%→195% | 25% | — | 2012.11 | 2015.10 |
| 23 | 藤崎住宅 | 福岡県福岡市 | 130→232 | 8,839→23,406 | 89%→235% | 100%(余剰容積率の活用という条件つき※e) | 賦課金を徴収(金額なし) | 2012.5 | 2015.3 |
| 24 | 藤沢コーポラス | 神奈川県藤沢市 | 34→38 | 1,970→3,287 | 261%→436% | —(「返還率が低い」とのみ記載) | — | 2005.10 | 2010.1 |
| 25 | 町田山崎団地 | 町田市 | 300→305 | 15,399→20,806 | 53%→140% | — | 保留敷地を処分して資金を捻出(金額なし) | 2006.5 | 2009.9 |
| 26 | 東丘住宅 | 大阪府豊中市 | 152→246 | — | — | — | 容積割増で費用負担を軽減(金額なし) | 2009.2 | 2012.12 |
| 27 | 石澄住宅 → ブランシエラ池田石澄 | 大阪府池田市 | 184→128 | 11,688→9,765 | 55%→111% | — | 保留敷地を売却し事業費に充当(金額なし) | 2013.12 | 2018(予定。m-saiseiの記載) |
| 28 | 河田町住宅 | 新宿区 | 34→41 | 1,776→2,995 | 91%→153% | — | — | 2013.3 | 2015.12 |
| 29 | 諏訪2丁目住宅 → Brillia多摩ニュータウン | 多摩市 | 640→1,249 | 34,037→124,871(m-saisei)/124,904(東京都) | 53%→194% | 約100%(報道) | 約49㎡を無償取得と報道。仮住居費用は自己負担 | 2010.3 | 2013.10 |
| 30 | 月島コーポ → オーベル月島リバージュグラン | 中央区 | 30→126 | — | — | — | 「自己負担なし」と事業者が公表 | 1998.4(建替え推進決議) | 2001 |
| 31 | 調布富士見町住宅 | 調布市 | 176→331 | 約10,470→約35,060(m-saisei)/35,810(旭化成) | 84%→282%(m-saisei値)/288%(旭化成値) | — | — | — | 2015 |
| 32 | 四谷コーポラス | 新宿区 | 28→51(計画。2017年時点) | — | — | — | 「1戸当たり数千万円程度の持ち出し」と報道 | — | 2019.7予定(2017年時点) |
| 33 | 同潤会江戸川アパートメント | — | 258→240 | — | — | 50%程度(専門家の記事) | 追加負担が発生 | 2002 | 2005 |
表の注
- ※a No.1 の試算は東京都の事例ページの敷地面積による。マンション再生協議会(m-saisei)の資料は従前敷地を1,468.01㎡としており、その値で計算すると従前は471%
- ※b No.2 の試算は東京都の事例ページの値による。m-saisei の値(延床12,776.55㎡・敷地1,328.72㎡)で計算すると従後は962%
- ※c No.5 の試算は東京都の事例ページの値(事業計画時)による。m-saisei の従後延床8,415.84㎡で計算すると従後は733%
- ※d No.16 は「専有面積が平均約1.6倍広くなり」と記載されていますが、還元率という言葉は使われていません。そのため還元率の欄には載せていません
- ※e No.23 の原文は「余剰容積率(200%のうち88%を使用)を活用し、還元率100%」です
- No.21 は住宅の戸数のみで計算しています。No.32 の戸数は計画値(2017年時点)です
- No.29〜33 は、別記事の調査で収録済みの事例です。No.30・32・33 の値は2026年10月9日の確認によるもので、No.29・31 は2026年10月10日にマンション再生協議会の資料で追加確認しました
容積率の公表値(上限・制限値と実績値の区別)
容積率は、資料に数値が出ていても、多くは都市計画上の上限や制限値で、建物の実績値ではありません。資料の書き方どおり、条件を付けて掲載します。
| No. | 事例 | 建替え前 | 建替え後 |
|---|---|---|---|
| 6 | 国領住宅 | 70%(一団地の住宅施設による制限値) | 200%(指定容積率=上限。実績値ではない) |
| 9 | 下連雀住宅 | — | 200%(条例により利用可能となった上限。実績値ではない) |
| 10 | 桜上水団地 | 60%(一団地の住宅施設による制限値) | — |
| 11 | 原宿住宅 | — | —(総合設計制度による割増容積率の最高限度352.81%。上限であり実績値ではない) |
| 12 | 石神井公園団地 | 60%(制限値) | 200%(地区計画による上限。実績値ではない) |
| 13 | 向原第二住宅団地 | 70%(制限値) | 200%(地区計画による上限。実績値ではない) |
| 14 | 多摩川住宅ホ号棟 | 60%(制限値) | 170%(引上げ後の上限。実績値ではない) |
| 15 | 小豆沢団地 | — | 「約93%の容積率アップ」(増加幅の記述で、容積率の値ではない) |
| 18 | イトーピア浜離宮 | 400%(緩和前の制限) | 700%(総合設計による緩和後の制限。実績値ではない) |
| 21 | 富士マンション | 717%(推計。既存不適格) | 436%(総合設計による割増後の基準=上限。実績値ではない) |
| 23 | 藤崎住宅 | 指定容積率200%のうち88%を使用 | — |
| 26 | 東丘住宅 | 150%(許容容積率=本来の上限) | 180%(計画値) |
| 29 | 諏訪2丁目住宅 | 容積率の最高限度50% | 容積率の最高限度150%(地区計画) |
| 31 | 調布富士見町住宅 | 80%(一団地の住宅施設) | 200%(地区計画) |
3. 還元率が公表されている事例
還元率が数値で示されていた7件を見ていきます。同じ「100%」でも、条件がついているものがあります。
大京町住宅(No.8、新宿区)— 還元率 約130%
マンション再生協議会の事例紹介に「還元率 約130% 区分所有者の内約80%が再入居」と記載されています。24戸が35戸になり、延床は1,322.84㎡から3,430.78㎡へ約2.59倍(試算: 3,430.78 ÷ 1,322.84 ≒ 2.59)に増えました。7件の中で唯一、100%を上回る値です。ただし、この還元率が面積ベースかどうかなどの定義は、資料に書かれていません。
下高宮分譲住宅1・2(No.20、福岡市)— 還元率 100%+平均増床資金780万円
「還元率100%、平均増床資金780万円、区分所有者32組/40組が権利変換を受ける」と記載されています。還元率と金額の両方が示されていたのは、33件の中でこの1件だけです。40戸が90戸になり、延床は約4.15倍(試算: 10,062.01 ÷ 2,426.4 ≒ 4.15)です。
還元率が100%でも、780万円の資金が出ています。「増床資金」は、元より広い住戸を選んだ分の負担と読めますが、資料に定義は書かれていません。また、40組のうち権利変換を受けたのは32組で、残る8組は転出しています。
藤崎住宅(No.23、福岡市)— 還元率 100%(条件つき)
資料の記述は「余剰容積率(200%のうち88%を使用)を活用し、還元率100%」です。この100%は、指定容積率200%に対して従前は88%しか使っていなかった、つまり容積に大きな余りがあったという条件のもとでの値です。 130戸が232戸になり、延床は約2.65倍(試算: 23,406 ÷ 8,839 ≒ 2.65)です。
還元率100%でも負担がゼロだったわけではありません。建築費の高騰で事業費が増え、組合員から賦課金、参加組合員から分担金を徴収して賄ったと記載されています(金額の記載はありません)。
丸竹ファミリーマンション(No.22、那覇市)— 還元率 25%
資料に「還元率 25%」と記載されています。スポンサーとなる事業協力者が見つからず、自主建替え方式をとった事例です。戸数は25戸から22戸に減り、延床は1,637.84㎡から1,755㎡で約1.07倍(試算: 1,755 ÷ 1,637.84 ≒ 1.07)にとどまりました。
富士マンション(No.21、新潟市)— 還元率 20%以下(上限の表現)
資料の記述は「還元率が20%以下と低い」です。これは「20%以下」という上限の表現で、還元率がちょうど20%だったという意味ではありません。 従前は容積率が推計717%で、現行の基準を超える既存不適格の建物でした。総合設計制度を使っても割増後の基準は436%(上限)で、延床は5,292㎡から5,008㎡へ減っています。デベロッパーが参加しない、保留床のない自主建替えでした。
諏訪2丁目住宅(No.29、多摩市)— 還元率 約100%(報道)
AERA(2017年7月31日号)は、容積率の緩和で増えた住戸を分譲して再建費に充て、元の住民は約49㎡の住戸を無償で取得できた(還元率100%)と報じています2。この値は報道によるもので、マンション再生協議会の事例紹介には還元率の記載がありません。同協議会の資料では、仮住居費用は自己負担とされています。640戸が1,249戸になり、延床は約3.67倍(試算: 124,870.97 ÷ 34,037.13 ≒ 3.67。東京都の値でも同じ)です。
同潤会江戸川アパートメント(No.33)— 還元率 50%程度(専門家の記事)
『限界マンション』の著者、米山秀隆氏の記事によると、住居系の用途地域で容積を確保できず(一部は既存不適格)、還元率は50%程度にとどまり、追加負担が発生しました3。258戸が240戸に減っています。
数値ではないが手がかりになる記述
還元率の数値はないものの、次の記述がある事例もあります。
- 林町住宅(No.7): 「従前住戸面積までは追加負担無しでの建替え」
- 久が原グリーンハイツ(No.16): 「専有面積が平均約1.6倍広くなり」「自己負担なし」
- 月島コーポ(No.30): 「自己負担なしの建替え事業を実現」(長谷工)
- 藤沢コーポラス(No.24): 「余剰容積が少ないため、地権者への返還率が低く、建替え決議までに時間を要した」
4. 数字から見える傾向
ここからは、表の数値から編集部が計算した結果です。事例数が少なく、公表される事例自体に偏りがある可能性があるため、全体の傾向を示すものではありません。
戸数の増加倍率(33件)
増加倍率 = 建替え後の戸数 ÷ 建替え前の戸数 で計算しました。
| 増加倍率 | 件数 | 該当(No.) |
|---|---|---|
| 1.0倍未満(減少) | 4 | 21, 22, 27, 33 |
| 1.0〜1.5倍未満 | 8 | 7, 8, 9, 17, 18, 24, 25, 28 |
| 1.5〜2.0倍未満 | 12 | 1, 4, 5, 11, 12, 16, 19, 23, 26, 29, 31, 32 |
| 2.0〜3.0倍未満 | 7 | 2, 6, 10, 13, 14, 15, 20 |
| 3.0倍以上 | 2 | 3, 30 |
中央値は約1.75倍(No.16: 447 ÷ 256 ≒ 1.75)です。最大は月島コーポの4.2倍(126 ÷ 30)で、隣接地を取り込んで敷地を広げた事例でした。資料間で戸数が異なる No.7・14・18 は、どちらの値で計算しても区分は変わりません。
延床面積の増加倍率(21件)
延床倍率 = 建替え後の延床 ÷ 建替え前の延床 で計算しました(両方の値がある21件)。
| 延床倍率 | 件数 | 該当(No.) |
|---|---|---|
| 1.0倍未満(減少) | 2 | 21, 27 |
| 1.0〜2.0倍未満 | 5 | 1, 22, 24, 25, 28 |
| 2.0〜3.0倍未満 | 7 | 2, 3, 4, 7, 8, 9, 23 |
| 3.0〜4.0倍未満 | 3 | 10, 29, 31 |
| 4.0倍以上 | 4 | 5, 6, 11, 20 |
中央値は約2.46倍(No.3: 6,261.57 ÷ 2,542.07 ≒ 2.46)です。資料間で延床が異なる No.2・5・29・31 も、どちらの値でも区分は変わりません。
還元率と延床倍率
還元率と延床の両方がわかる6件を並べると、次のとおりです。
| No. | 事例 | 延床倍率 | 還元率 |
|---|---|---|---|
| 20 | 下高宮分譲住宅1・2 | 4.15倍 | 100% |
| 29 | 諏訪2丁目住宅 | 3.67倍 | 約100%(報道) |
| 23 | 藤崎住宅 | 2.65倍 | 100%(余剰容積率の活用が条件) |
| 8 | 大京町住宅 | 2.59倍 | 約130% |
| 22 | 丸竹ファミリーマンション | 1.07倍 | 25% |
| 21 | 富士マンション | 0.95倍 | 20%以下 |
この6件では、延床をほとんど増やせなかった2件の還元率が低く、2.5倍以上に増やせた4件は100%前後以上でした。東京都の分析にも「延床倍率が高いほど還元率も高くなる傾向」があるとされています1。ただし6件だけの比較で、延床倍率が同程度でも還元率は100%と約130%に分かれています。延床倍率から還元率を見積もれるわけではありません。
決議から竣工まで
竣工年 − 決議年(年単位)で計算すると、両方の年が確定している26件では2年が1件、3年が15件、4年が5件、5年が4件、6年が1件でした。ただし、これは決議の後の期間です。決議までには長い検討期間があり、諏訪2丁目住宅は検討開始から決議まで約19年かかっています(損得の解説記事を参照)。
5. 一次資料を調べたい方へ
この一覧で見たとおり、建替え事例の還元率や負担額は公表されないことが多い数字です。事例を自分で調べたい場合は、次の公的な一覧が出発点になります。
- 東京都 マンション建替え事例一覧: 都内の事例を戸数・面積などで一覧にしています。還元率の項目はありません4
- マンション再生協議会 円滑化法による建替え事例: 全国の事例ごとに、経緯や事業の特徴を紹介しています。この一覧で還元率の数値を確認できた5件は、すべてここの事例紹介です5
- 国土交通省 マンション建替え等の実施状況: 全国の累計件数を公表しています。2025年3月31日時点で累計323件(約26,000戸)です6
この一覧の33件は、累計323件の一部です。平均負担額の推移や還元率の分布など、事例をまとめた公的データは損得の解説記事で紹介しています。
6. 最終更新と収録基準
- 最終更新: 2026年10月10日(初版)
- 収録基準: 事例の存在と数値を、公的機関・業界団体・事業者の公表資料、または報道で確認できたものに限ります。報道や専門家の記事による値は、表と本文にその旨を書いています
- 掲載しないもの: 出典の運営主体を確認できない資料の数値、口コミ・体験談、市場価格の推定
- 値の扱い: 資料に書かれた条件(上限・制限値・計画値・推計・上限の表現など)は省かずに掲載します。資料間で値が異なる項目は併記し、どちらかを選んでいません
- 今後: 事例の追加と、新しい資料による値の更新を続けます。更新した場合はこの節に日付と内容を記録します
7. 出典一覧(事例ごと)
確認日は、No.1〜28・29・31 が2026年10月10日、No.30・32・33 が2026年10月9日です。
- 新赤坂マンション: 東京都 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/tatekae/35jirei-list/35jirei-list-007/ / マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_12.html
- 天城六本木マンション・ホーマットガーネット: 東京都 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/tatekae/35jirei-list/35jirei-list-010/ / マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_22.html
- 宇田川町住宅: 東京都 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/tatekae/35jirei-list/35jirei-list-024/ / 旭化成 https://www.asahi-kasei.co.jp/mansionlab/example/udagawa.html
- ハイツ駒込: 東京都 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/tatekae/35jirei-list/35jirei-list-028/
- 上野下アパート: 東京都 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/tatekae/35jirei-list/35jirei-list-031/ / マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_53.html
- 国領住宅: 旭化成 https://www.asahi-kasei.co.jp/mansionlab/example/kokuryou.html / マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_14.html
- 林町住宅: マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_27.html / 東京都 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/tatekae/35jirei-list/
- 大京町住宅: マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_31.html
- 下連雀住宅: マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_32.html
- 桜上水団地: マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_42.html
- 原宿住宅: マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_43.html / 東京都 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/tatekae/35jirei-list/
- 石神井公園団地: 長谷工 https://www.haseko.co.jp/saisei/works_rebuilding/east23.html / 東京都 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/tatekae/35jirei-list/
- 向原第二住宅団地: 長谷工 https://www.haseko.co.jp/saisei/works_rebuilding/east24.html / 東京都 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/tatekae/35jirei-list/
- 多摩川住宅ホ号棟: 長谷工 https://www.haseko.co.jp/saisei/works_rebuilding/east27.html / 東京都 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/tatekae/35jirei-list/
- 小豆沢団地: 長谷工 https://www.haseko.co.jp/saisei/works_rebuilding/east3.html
- 久が原グリーンハイツ: 長谷工 https://www.haseko.co.jp/saisei/works_rebuilding/east4.html
- 萩中住宅: 長谷工 https://www.haseko.co.jp/saisei/works_rebuilding/east7.html / 東京都 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/tatekae/35jirei-list/
- イトーピア浜離宮: 長谷工 https://www.haseko.co.jp/saisei/works_rebuilding/east22.html / 東京都 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/tatekae/35jirei-list/
- 習志野台三街区住宅団地: 長谷工 https://www.haseko.co.jp/saisei/works_rebuilding/east26.html / 東京都 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/tatekae/35jirei-list/
- 下高宮分譲住宅1・2: マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_18.html
- 富士マンション: マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_15.html
- 丸竹ファミリーマンション: マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_58.html
- 藤崎住宅: マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_52.html
- 藤沢コーポラス: マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_21.html
- 町田山崎団地: マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_24.html / 東京都 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/tatekae/35jirei-list/
- 東丘住宅: 長谷工 https://www.haseko.co.jp/saisei/works_rebuilding/west11.html
- 石澄住宅: マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_65.html / 長谷工 https://www.haseko.co.jp/saisei/works_rebuilding/west17.html
- 河田町住宅: マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_61.html
- 諏訪2丁目住宅: マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_44.html / 東京都 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/pdf/34saiseisokusshin-list/34saiseisokusshin-list-04.pdf / 東京建物 https://tatekae.brillia.com/experiences/interview02.html / 還元率はAERA(注2)
- 月島コーポ: 長谷工 https://www.haseko.co.jp/saisei/works_rebuilding/east6.html
- 調布富士見町住宅: マンション再生協議会 https://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei/ta_jirei_51.html / 旭化成 https://www.asahi-kasei.co.jp/mansionlab/example/chofu.html
- 四谷コーポラス: 旭化成 ニュースリリース https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2017/ho170530.html / 東洋経済オンライン https://toyokeizai.net/articles/-/181490
- 同潤会江戸川アパートメント: 米山秀隆(注3)/ 旭化成 建替え事例ページ(事例の掲載を確認) https://www.asahi-kasei.co.jp/mansionlab/example/edogawa.html
この記事は、確認日(2026年10月10日)時点で公開されている資料・報道をもとに作成しています。掲載した値は各資料の記載をそのまま整理したもので、編集部が独自に推計した値ではありません(「試算」と明記したものを除きます)。個別のマンションの建替えの可否、還元率、負担額、資産価値の変化を示すものではなく、不動産の購入・売却・投資を勧めるものでもありません。判断はご自身の責任で行い、最新の情報は各出典や国土交通省・自治体の公式情報、マンション管理士・弁護士・税理士などの専門家にご確認ください。
出典・注
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東京都 資料3「マンション再生の状況」p.2(H25年度東京都都市整備局調査による)。https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/juutakuseisaku/shiryo_26_08_03 (確認日 2026-10-09) ↩ ↩2
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AERA 2017年7月31日号(富士見団地のサイトに転載されたPDFで確認。二次掲載のため補助的な出典として扱う)。http://fujimi-danchi.org/06_shiryou/2018/images/06_20180826_01_04.pdf (確認日 2026-10-09) ↩ ↩2
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米山秀隆、幻冬舎ゴールドオンライン。https://gentosha-go.com/articles/-/33560?page=3 (確認日 2026-10-09) ↩ ↩2
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東京都 マンションポータルサイト「マンション建替え事例一覧」。https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/tatekae/35jirei-list/ (確認日 2026-10-10) ↩
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マンション再生協議会「円滑化法による建替え事例」。https://www.m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei_index.html (確認日 2026-10-09) ↩
-
国土交通省「マンション建替え等の実施状況」(2025年3月31日時点)。https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001903860.pdf (確認日 2026-10-09) ↩